再建築不可物件のリフォームはどこまで可能なのか

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再建築不可物件でもリフォームは可能ですが、工事の規模や内容によって自治体に申請が必要となります。

大規模工事の場合は申請が必要

通常、住宅を修繕や増改築するには工事の規模が大きい場合、建築基準法六条一項第一号から第三号の規定により、確認申請を受けることが必要です。該当の条項には以下の三つの行為が申請の対象として規定されています。

  • 増改築
  • 大規模の修繕・模様替え
  • 用途変更

申請は各地方自治体の建築担当課か、自治体の指定した民間の検査機関へ行います。

参照:電子政府の総合窓口e-Gov|建築基準法六条第一項

申請なしでできるリフォームの範囲

確認申請なしで施工が可能な工事の規模は、建築基準法第六条二項に定められています。この規定では、工事内容が以下の基準を満たしていれば、事前の確認申請は不要としています。

  • 施工場所が防火・準防火地域の外
  • 広さ10平方メートル以下
  • 施工内容が増築・改築・移転のいずれか

防火・準防火地域とは、火災発生時に被害が深刻化する可能性の高い人口密集エリアが指定され、範囲内の建築物に一定以上の耐火性能を求める規定です。都市計画法九条二十一項に規定されており、建築基準法六十一条・六十二条に耐火性能の基準が定められています。

参照:電子政府の総合窓口e-Gov|建築基準法六十一条・六十二条
参照:電子政府の総合窓口e-Gov|都市計画法九条二十一項

六条二項の規定では、施工可能な広さが10平方メートル以下と非常に狭小です。浴室のみ・階段のみといった一部分だけなら可能なケースもありますが、内装を変えたり間取りを変更したりといった家全体のリフォームは難しいです。また施工の場所や内容にも制限を受けているため、大規模のリフォームをおこなうのは不可能です。

しかし、再建築不可物件を不動産販売サイトで検索してみると、新築同様にリフォームされた綺麗な中古戸建て住宅を多く見かけます。では、これらの住宅は全てルールを無視して建てられている違法建築物なのでしょうか。

4号建築物の場合はフルリフォームができる

実は、建基法六条二項の規定には例外があり、一定以下の規模の建築物は、新しく建物を建て替える場合を除き、施行に際して審査を省略することができます。この基準は建基法六条一項第四号に指定されているため、俗に4号建築物と呼ばれています。具体的には、以下の基準を満たすものが4号建築物として規定されています。

  • 二階建て以下の木造住宅で延べ面積が500平方メートル以下のもの
  • 平屋の鉄骨造の住宅で延べ床面積が200平方メートル以下のもの

再建築不可物件の多くはこの基準に適合するので、確認申請なしでも屋根と骨組みだけ残してフルリフォームすることが可能です。
参照:電子政府の総合窓口e-Gov|建築基準法六条一項四号