再建築不可物件で住宅ローンが組めないと言われるのはなぜでしょうか。その理由は、再建築不可物件の法律上の規制と、それによる需要の低さに原因があります。
住宅用地としての価値が低い
再建築不可物件は、中古住宅の増築や建て替えができません。購入した既存の住宅に手を加えず、そのまま住んでいる分には特に問題はありませんが、建物が古く、新しく建て替えたい場合は建築基準法43条1項による制限を受けます。
建築基準法43条1項には、敷地の接道義務についての基準が記されており、その基準を満たさない場合は未接道の土地として再建築制限の対象となります。
参照:電子政府の総合窓口e-GOV|建築基準法-第四十三条一項
再建築不可物件であっても、家に瑕疵が発見された際の修繕や、屋根と柱を残してのリフォームやリノベーションは可能です。しかし、現在建っている建物をベースとして、広さと構造に制限を受けます。このため住宅用地としての資産価値があまり評価されず、不動産としての流動性も低くなります。
需要が少なく換金性が低い
再建築不可物件は、原則として建築物の増築や建て替えに制限が付き、また財産評価も低いため相対的な需要が低い物件です。そのため再建築不可物件を選ぶくらいなら、多少相場が高くても似た条件の通常宅地を選ぶ人が多いです。
銀行は住宅ローンとして資金を貸し付ける際、購入対象の住宅を、貸したお金の担保に取ります。万が一住宅ローンを返済できない場合は、この担保を売却することで現金に変え、貸付金の回収を実施します。
しかし、購入したのが再建築不可物件だった場合、担保を売却しても買主が見つからないリスクがあります。そうなると最悪貸付額を回収できなくなることも考えられるため、銀行は価値の低い再建築不可物件の担保評価を低く設定し、住宅ローンを契約する事を嫌がります。そのため、一般的に再建築不可物件では住宅ローンが組めないと言われているのです。